がんばらにゃ2015年7月号
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 トマトは下から上へと順番に花が咲いて実が成るのですが、一般的には下段の方が美味しいとされています。しかし、「うちのトマトは、上段も同様に美味しいんですよ」と胸を張る林さん。これも、カニ殻の効果のひとつだとか。さらに、トマトへの水やりは、極力少なくしています。「そうすることでトマトが危機感を持ち、種のまわりに栄養分が集 甘みの中にほど良い酸味があり、「トマト嫌いの子どもも美味しく食べられる」と評判の林農園のトマト。一般的には青いまま収穫し販売までの間に赤く熟成させるものが多いのですが、林さんの農園では赤く熟したものを収穫し、その日の内に出荷。翌日には、組合員のみなさんに新鮮な完熟トマトをお届けしています。 発色に優れ、日持ちが良いのも、林農園のトマトの特徴のひとつです。その理由は、三国ならではの土づくりにあるのだそう。「2009年から、乾燥させた越前ガニの殻を土にすき込んでいます。カニ殻に含まれるキチン・キトサンの効果で、根が健康になるんです」と語る林さん。カニ殻を混ぜた農園の土には、キチン・キトサンを分解して作られるグルコサミンが通常の5倍含まれていたそうです。「もともとは、民宿から冬場に出る大量のカニ殻を引き取ってくれないかと相談されて始まったこと。三国ならではの取り組みとして、越前ガニの宣伝にもなればと思っています」甘くてフレッシュ、完熟の旨味 林さんのトマト越前ガニの殻で土づくり真っ赤に実る完熟トマトまり甘くなるんです」と語ります。  「自分が食べることを前提に好きなものを作ること、〝商品〞ではなく〝食べもの〞として捉えること」林さんはこの2つにこだわり、安全・安心な野菜を作り続けています。生協では、毎年お馴染みとなった産直協議会主催の『トマト収穫体験交流会』や『たんぽぽツアー』を通して、組合員のみなさんと交流。生協の組合員活動を通して目覚めたという林さんの農業への思いを、組合員のみなさんにお伝えできるのも産直活動ならではです。 2年前から、完熟トマトのトマトジュースの製造・販売を始められた林さん。「夏場だけでなく、一年中美味しいトマトを楽しんでもらえたら」と展望を語ってくださいました。こだわりの完熟トマトをみんなに楽しんでほしい林農園(坂井市)林 治巳さん組合員と生産者がともに育てあう生協の産直林農園Profile受粉のお手伝い中のマルハナミツバチ林さんのオススメ料理は、『トマたま』です。乱切りにしたトマト(2個分)とウインナーやベーコンをオリーブオイルで炒め、ときタマゴ3個分を入れて塩・こしょうで味付け。お好みでピザ用チーズを加えて。その他、ラタトゥユやアクアパッツァなどにも。収穫してから3~4日後に旨味が出るという完熟トマト。お届けから1~2日後が、ちょうど美味しい食べ頃になります。「丸ごと冷凍保存しても煮込み料理に使いやすいですよ」と林さん。オススメの食べ方豆知識〈次回7月3・4回〉宅ハトマトを中心に、野菜を栽培。化学肥料を使用せず、農薬の使用を慣行栽培の1/2以下に抑え、福井県の特別栽培農産物認証を取得。『大豆まるごと豆腐』の製造・販売を扱う『きっちょんどん』の代表も務める。2015.7月号2

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