がんばらにゃ2015年11月号
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甘くて、しっとりほくほく 吉村さんのとみつ金時 吉村さんは、フィールドワークスの前身である吉村農園の3代目です。地域の生産者が減る中で、先代が築いた『とみつ金時』ブランドの産地を次世代に引き継ぐために、事業の規模拡大をめざして 風力発電の大きな風車の下、海を見晴らす丘ですくすくと育つさつまいも『とみつ金時』。「さつまいもは同じ品種を植えても、作る場所で味が違ってくるんですよ」と吉村さんが語るように、あわら市富津地区の赤土を含む山砂のしっとりした土壌で育つ『とみつ金時』は、水分量のバランスが良く、甘みがありしっとりほくほくとした味わいが特長。厳しい環境の方が味わい深くなるのは、芋も人間と同じようです。吉村さんは土づくりにもこだわり、連作障害がでないよう2〜3年に一度、マメ科の緑肥を植えて土壌を蘇らせています。 8月下旬から11月上旬にかけて収穫した後、ほぼ一年中その美味しさを維持したまま出荷できる『とみつ金時』。その秘密は『キュアリング貯蔵』にあります。これは土付きの『とみつ金時』を温度35℃、湿度95%以上の室内に約90時間置き、その後、一気に12℃にまで温度を下げて湿度を85%にして保存する貯蔵方法。これにより表面がコルク化して膜の役割を果たし、最適な水分量のまま長期間美味しい状態を維持できます。『キュアリング貯蔵』で旨味をギュッと閉じ込め甘さが増した『とみつ金時』は、12月頃から出荷されます。ずっと続く美味しさの秘密『キュアリング貯蔵』いた吉村さんは、5年前、同世代の仲間が地元に帰ってきた機会を生かし、農園を法人化。『とみつ金時』を生産する後継者グループ『エコフィールドとみつ』を結成し、2011年に福井県産材を使ったキュアリング貯蔵施設を整備しました。 現在、同社では『とみつ金時』をはじめ5種類のさつまいもを生育。その美味しさは、一般家庭はもちろん、県内外のレストランのシェフやお菓子のパティシエから高く評価され、東京などで販路が広がっています。 県民せいきょうの『たんぽぽツアー』や『産直交流会』、自社イベントなどを通して、消費者の声にも耳を傾ける吉村さん。「みんなの『美味しい』が一番の活力になります」と微笑みます。「今後は、富津を日本で一番と言われるさつまいもの産地にしたい」と目標を語ってくださいました。産地ブランドを仲間と守り次の世代につなげていく株式会社フィールドワークス(あわら市)代表取締役吉村 智和さん株式会社フィールドワークス www.fw-tomitsu.com組合員と生産者がともに育てあう生協の産直フィールドワークスProfile「さつまいもは万能。焼く、煮る、揚げる、蒸す、干す…どんな調理でも美味しく食べられます。おかずにおやつに、食べ方はお客さま次第です」と笑う吉村さん。定番の焼き芋はトースターで20~30分焼くだけで、レンジより手軽に美味しくできあがります。さつまいもは寒さが苦手。美味しく食べられる状態でお届け・販売しているので、なるべく早めにお召し上がりを。食べきれない場合は、「10℃以上で保管しないと傷みやすいので、あたたかい場所に置いて」と吉村さん。オススメの食べ方〈次回11月3回・12月2・4回 (ふくい~な)〉宅ハ化学肥料を減らし、環境に配慮した農法で土づくりを実践。10ha以上の畑で、さつまいもやカボチャなどの野菜を育てる。上手な保存方法※ただし、20℃を超えると発芽してしまうのでご注意を。2014年 産直交流会の様子吉村さんのおすすめもっちりとみつ金時と米粉のドーナッツ2015.11月号2

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