がんばらにゃ2018年9月号
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 みずみずしい甘みと酸味のバランス、しゃきしゃきした食感が楽しめる、越後農園の梨。幸水、豊水、あきづき、新興など10種類の品種を栽培し、8月上旬から10月下旬まで美味しい実りのリレーが続きます。 越後農園では、梨の実を樹で完熟させることにこだわり、1年かけてじっくり育て上げています。四季を通して様々な作業が続き、収穫後の秋から冬にかけては、有機肥料を使った追肥や元肥、剪定、作業する人の背丈にあわせた棚に枝を紐でしばる誘引作業などを行います。春から夏にかけては、花粉取りと受粉、摘花、摘果、防虫や病気予防のための袋かけ、未来の花芽を確保するために伸びた梢を切るピンチなどの作業があり、合間に除草や消毒なども行います。どれも大変な仕事ですが、「辛いのも、楽しいのも、やっぱり収穫」と苦笑いする百合さん。朝7時半から夫婦で梨を収穫すると、百合さんが選別、和夫さんが袋詰して、午後には納品へ。「樹で完熟した梨は、実がやわらかく、青臭さもなくて、美味しさが全然違う。もぎたての新鮮さを、なるべく早くお届けできたらと思っています」。 越後農園は、1949年頃、百合さんの父親が戦後の農地開拓で移住し、酪農からスタートしました。その後、50年程前に「女性でも作業がしやすいものを」と梨づくりを始めたそうで、先代が手がけた梨の果樹園を、今はご夫婦が大切に受け継いでいます。 「この辺の土壌は、赤土だけど粘土質。果樹づくりに向いてないから、樹が実を守ろうと頑張って美味しい梨ができるんです」と百合さん。粘土質なので根ははりにくいのですが、水分が蒸発しにくいため「晴れた日がずっと続くような、最近の極端な天候に強い面もありますね」と和夫さんが話を続けます。  1年を通した作業に「年をとって、体力が続かなくなった」と感じる一方、「手紙や産直交流などで、組合員のみなさんから直接『美味しかった』と言われると、もう少し頑張ってみようと思う」とニッコリ。寄せられた手紙などは、箱に入れて大切に保管しているのだそう。「これからもみなさんに喜んでいただける梨をつくりたい」と語る百合さん。近年は、福井県の指導農業士の認定を受け、新規就農者をサポートする活動も行っています。組合員と生産者がともに育てあう生協の産直甘みと酸味、しゃきしゃきした食感 越後さんの梨越後農園越後農園(坂井市)越後 和夫さん百合さん約50aの梨園で、幸水、豊水、あきづき、新興など10種類の梨を栽培。百合さんは、福井県から認定された指導農業士としても活躍。Profile越後農園の 梨いろいろ 樹で完熟させた果実を収穫しているので、届いたらなるべく早めにお召し上がりください。保存する場合は、新聞紙でくるんでポリ袋に密閉し、冷蔵庫へ。〈次回9月3回~(ふくい~な)〉宅ハ茶系の皮の赤梨と呼ばれるものの代表格。糖度が高く、肉質が緻密です。幸水(8月中旬~下旬)みずみずしい赤梨。高い糖度を持ち、酸味とのバランスが良く濃厚です。豊水(9月初旬~20日頃)糖度が高く、酸味が少なく、シャリ感があり肉質は良好。近年人気上昇中。あきづき(9月中旬~下旬)大玉でほど良い糖度と酸味のバランスが絶妙。常温で1ヶ月以上保存可能。新興(10月上旬~下旬)…ハーツ・      …コープの宅配 で取り扱っています ※取り扱い状況は、変更になる場合もありますのでご了承ください。宅9

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