がんばらにゃ2019年6月号
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Vol.29認知症介護をがんばりすぎないために知っておくべきこと6月に開催する「くらしの見直し講演会」・「スキルアップ講座」で講師にお迎えする工藤 広伸氏に、認知症介護について実体験をもとに教えていただきました。 ある日を境に、同じことを何度も言うようになったり、自宅の場所が分からなくなったりする家族。今までできていたことが急にできなくなった家族の姿にとまどい、どう対処していいか分からず、途方に暮れてしまいます。「これは、認知症かもしれない」 家族をもの忘れ外来へ連れて行き、医師に診断してもらおうとしても、当の本人は「認知症ではないから、病院へ行く必要はない」と言い張ります。介護保険サービスを利用しようとしても、「誰のお世話にもなりたくない」と言われ、周囲に相談できずに1人で悩み、苦しみながら孤独に介護をしている方が、全国に多くいらっしゃいます。 すでに、認知症の家族を自宅で介護されているご家庭も多いと思います。家に在庫のある必要のない物を、スーパーで何個も買ってきたとき、どう声をかけ、どう対処したらいいのでしょう。 認知症介護をラクにする便利グッズも数多く登場しています。認知症の方がトイレにオムツや尿パッドを詰まらせたとき、ある物を使って対処すると、業者を呼ばずに済むこともあります。また、離れた家の様子を簡単に確認できるカメラや、家のエアコンの電源や温度を離れた場所から操作できる便利グッズもあります。 6月26日(水)の講演会では、生活の中で感じる認知症のサインや、「がんばりすぎない」ための認知症介護のコツについて、家族目線で分かりやすく解説します。ご期待ください!地域包括支援センターとは?介護がラクになる便利グッズ 2012年の時点では、65歳以上の高齢者の7人に1人が認知症でしたが、今から6年後の2025年には、5人に1人の割合にまで増加すると言われています。他人事ではない認知症と、家族はどのように接し、どう向き合っていけばいいのでしょうか? 「また同じ物を買ってきて!」と、つい怒鳴ってしまう方や、言いすぎたことを反省し、自分を責めてしまう方もいます。そんなときでも「しれっと(何事もなかったかのように)」介護するための気の持ちようや対処法について、講演会でご紹介します。がんばりすぎずにしれっと認知症介護認知症の症状をまるごと受け止めつつ「ムリをせず、ラクをする介護」を、家族ならではの目線でお話いただきます。LPAの会 くらしの見直し講演会・スキルアップ講座6/26(水) 10:00~12:00県民せいきょう 本部センター(福井市開発5丁目1603番地)無料工藤 広伸氏(介護作家)100人(申込先着順)19ページコールセンターまで時講定¥所申要予約(申込先着順)1歳以上未就学児お1人につき300円託児あり同じ物を何個も買ってしまう家族1972年岩手県盛岡市生まれ。東京都在住。執筆を生業にする介護作家・ブロガー。祖母(認知症+子宮頸がん・要介護3)と母(認知症+CMT病・要介護2)のW遠距離介護からスタート。祖母の死去後、悪性リンパ腫の父(76歳・要介護5)も別拠点で在宅介護したが死去。成年後見人経験者、認知症ライフパートナー2級、認知症介助士。なないろのとびら診療所(岩手県盛岡市)地域医療推進室非常勤。現在も東京と岩手を年間約20往復しながらしれっと遠距離介護中。PROFILE介護作家工藤 広伸氏 介護が必要になったとき、最初に相談すべき場所は、地域包括支援センターです。専門職員が地域内に住む高齢者の「総合相談」「介護予防」「サービスの連携・調整」などの業務を行っているのですが、知らないという家族も多いです。 ある80代女性が、地域包括支援センターの存在を知り、ヘルパーさんに介護を手伝ってもらえるようになったと喜んでいたのですが、それまでの8年間は、認知症の夫を、誰の手も借りずに、1人で在宅介護を続けていたのです。2019.6月号4

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