がんばらにゃ2019年7月号
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 現在、福井県の肥育農家は、和牛を扱う約15戸と交雑牛を扱う約10戸、また乳牛を肥育するホルスタイン種の酪農家は約19戸あります。各地で離農が相次ぐなか、坂井市の郊外にある南田牧場は、約55年前にこの地で開業以来、ご夫婦と後継者となる息子さんが、交雑牛のふくい牛約180頭、和牛約50頭を育てています。 ふくい牛とは、黒毛和種の雄とホルスタイン種の雌をかけあわせた福井県産の交雑種の牛を、福井県で育てたものです。「うちは牛の肥育だけでなく、5年程前から血統にこだわった人工授精にも携わっています」と南田さん。南田さんが厳選した黒毛和種の雄の種を県内の酪農家が育てるホルスタインの雌に交配させ、そこで生まれた生後1〜2ヶ月の子牛を直接購入。牛はすべて、個体識別番号で生まれた日をはじめとする様々な情報が分かるよう安全・安心に管理されています。 牧場にきた子牛は、12ヶ月程すると広い牛舎に移動。与える飼料も、成長にあわせて順次変えていきます。「生きもの相手なので、思い通りにはならないことも。特に、子牛は病気になりやすいので、朝晩様子を見て回り、餌の残り具合などを確認して量を調整しています」と大変さを語ります。 ふくい牛に与える飼料にもこだわりがあります。良質なトウモロコシや大麦、ふすま(小麦の外皮)などをベースに、地元農家の稲わらや豆腐店のおからなどを独自の配合でブレンド。近くを流れる九頭竜川水系の水と一緒に与えています。また、牧場で出る牛糞を農家の方に堆肥として提供するなど、循環型の畜産に取り組んでいます。 成長したふくい牛は、24〜28ヶ月頃にJA花咲ふくいとJA福井県経済連を通して、石川県金沢食肉公社に出荷。その後、福井市のホクチク株式会社で加工されます。 ホクチク株式会社の橋本さんは、「南田さんのふくい牛は、霜降りが入って風味も良く、見た目も味も和牛に近い。成績もすごく良く、5段階ある肉質等級で毎回4等級を出す交雑種は他にはほとんどありません」と絶賛します。福井の人と自然とのつながりの中で育まれる、南田牧場のふくい牛。「福井生まれ福井育ちの美味しさを、まずは食べてみてください」と、南田さんは微笑みました。血統にこだわった交配で美味しいふくい牛を飼育福井に生まれ福井の人と自然に育まれるふくい牛組合員と生産者がともに育てあう生協の産直とろけるような食感と風味の良さ 福井県産 ふくい牛南田牧場ホクチク株式会社部位によって、いろんな味わい方が楽しめるふくい牛。えぐみがないので、ステーキや焼き肉はもちろん、すき焼きやしゃぶしゃぶ、肉じゃがなどの煮込み料理にもピッタリ。いろんな調理法で、ふくい牛の風味や食感の違いを堪能してみては。ふくい牛とは、黒毛和牛の肉質の良さとホルスタインの成長の良さを兼ね備えた、地元福井県坂井市の牛肉です。霜降りがしっかり入って風味が良く、ふわぁ~ととろけるような食感の良さで人気が高まっています。オススメの食べ方豆知識県民せいきょうバイヤー藤井 輝俊南田牧場南田 耕次さんホクチク株式会社橋本 照夫さんJA花咲ふくい営農部嶋田 隆さん〈次回7月3・4回(ふくい~な)〉宅ハ2019.7月号4

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