がんばらにゃ2013年9月号
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くらしの安心を考えるVol.2年4回開催の「地域いきいき健康講座」では、福井県済生会病院との連携で地域の医療の先生を講師に迎え、病気や健康について学んでいます。2013.9月号4生活習慣病予防のための健診(メタボ健診) 結果の見方PROFILE1949年福井県生まれ。73年金沢大医学部卒。同年同大医学部第一内科入局。国立がんセンター研究所・内科、金沢大医学部第一内科助手、講師。82年ロンドン大学ロイヤル・フリー病院内科客員研究員。87年福井県済生会病院内科。95年副院長。09年から病院長。99年から金沢大学医学部臨床教授。08年から福井県肝疾患連携拠点病院責任者。福井県済生会病院院長 田中延善先生 全身の動脈をつなぎあわせると、その長さは約10万キロメートルにもなります。動脈の血管異常である動脈硬化により脳血管障害や冠動脈疾患を発症します。脳梗塞を発症した後に、しばしば心筋梗塞も発症することがあります。その逆の場合もありますが、これは動脈が一つの臓器であると考えると理解できます。動脈硬化は自覚症状がないままに進行します。忍び寄る動脈硬化を防ぐことが、くらしの安全につながります。 動脈硬化のリスク要因として、肥満、喫煙、運動不足、糖尿病、高脂血症、高尿酸血症、高血圧症などがあり、これらリスク要因は日々のくらしと深く関わっていることから生活習慣病関連と言われています。生活習慣病から動脈硬化(脳血管障害、冠動脈疾患)へとドミノが倒れて行くように進行していく様子からメタボリックドミノと呼んでいます。肥満は、糖尿病、高脂血症、高血圧、脂肪肝の原因となりますが、糖尿病は動脈硬化の危険因子であり、糖尿病があると脳梗塞の頻度は約2倍に冠動脈疾患の頻度は2〜6倍になります。リスク要因の数が多いほど動脈硬化が早く進むので要注意です。動脈の状態を知るために血管検査を受けることをお勧めします。当院の血管検査室では、簡単な頸動脈エコー検査を始めとする様々な血管検査機器を用いて動脈の状態を診断します。 動脈硬化のリスク要因を克服するためには、まず、ライフスタイルを見直すことです。適切な食事摂取や運動で肥満や糖尿病を克服しましょう。但し、過度の食事制限による急激な減量は筋肉量を減らすなど問題もあります。食事療法と合わせて適度な運動を行い、ゆっくり減量することが大切です。禁煙は辛いですが、禁煙の意志があれば禁煙外来のスタッフがお手伝いをします。治療が必要な場合は、医師の診察とアドバイスを受ける必要があります。これまでのライフスタイルを見直して適切な治療を受けることでリスク要因の軽減を図り、動脈硬化の進展を防止することが「くらしの安心」につながります。動脈硬化のリスク要因を克服することで、くらしの安全を守るメタボリックドミノ忍び寄る動脈硬化に注意くらしを脅かす動脈硬化の予防は、ライフスタイルの見直しから脳卒中や心筋梗塞の原因である動脈硬化を予防しましょう 動脈硬化は自覚症状がないまま進行するため、脳卒中や心筋梗塞を発症して初めて気付くことがあります。動脈硬化のリスク要因である肥満、喫煙、糖尿病、高脂血症、高血圧などは生活習慣病と関連しています。動脈硬化予防のためにライフスタイルを見直しましょう。お申し込みは15ページコールセンターまで毎年の健診で、「経過観察って何?」「再検査…。一体どうしたらよいの?]と悩む方は多いものです。正しい健診結果の読み方や、生活習慣病予防についてお話します。9/11(水) 14:00~15:00ハーツつるが オアシスつるが生協診療所    30人所長 大門和先生福井県済生会病院 健診センター所長 岡藤和博先生講師座長所時無料定

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