がんばらにゃ2016年5月号
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 果肉が厚く種が小さい、渡辺農園の『紅映(べにさし)梅』。梅干しにすると肉厚でぽってりとやわらかく、県内外にファンがいます。 渡辺農園のある西田地区は、福井梅発祥の地。その歴史は、約180年前にさかのぼります。「三方五湖に面しているから、春先に強風が吹かず、風で木が折れたり花が落ちたりしないところが果樹栽培に向いているんですよ」。そう教えてくれたのは、3代目の直輝さん。祖父母の代から梅づくりを始め、現在、両親とともに、息子の直輝さんが梅の生産と加工品製造に意欲をもって取り組んでいます。安全・安心な梅づくりをめざし、農薬や化学肥料は通常の2分の1以下に抑え、発酵鶏糞などの有機肥料を使用。「梅の実がつぶれないよう手で一粒一粒丁寧にもいでいくのが一番大変な作業です。」と語ります。収穫された梅は、翌日には生協に出荷されます。 生協では、梅の開花時期や収穫時期に『たんぽぽツアー』や『産直交流会』を実施。美しい三方五湖の景色の中、組合員のみなさんと意見交換を行い、商品づくりにも生かしています。肉厚でぽってりとやわらかい 渡辺さんの紅映梅 渡辺農園では、梅加工品の製造・販売も行っています。梅干しは、色味と香りに優れた2種類の自家製しそを使うなど独自のこだわりが。さらに、「自分たちで梅に付加価値を付けないと生き残れない」と、オリジナルの梅びしおも製造・販売しています。美味しい梅を守り育てる江戸時代から続く梅産地 梅干しを砂糖などで練り上げた郷土に伝わる梅びしおは、「祖母の調理法をベースに、子どもにも食べやすく美味しい味になるか試行錯誤しました」と完成までの経緯を語る直輝さん。今年から、チューブ式容器に改良。「いつか梅びしおが、福井を代表する県民食になったら」と、福井の梅の消費拡大にもつなげたいという思いを語ります。 約15年前の最盛期には400軒以上あった梅農家は、少子高齢化や中国からの輸入増で今では300軒程度に。歴史と伝統ある梅産地の衰退を防ぐべく、若狭町では梅振興ビジョンを策定。直輝さんも県外からの移住者などと連携し、梅づくりを通して地域活性化に取り組んでいます。祖母の秘伝の味をもとに梅加工品を製造・販売渡辺農園(若狭町)組合員と生産者がともに育てあう生協の産直渡辺農園3haの梅園で、800本近い梅の木を育てる。主力の品種は紅映や剣先。福井県特別栽培認定。梅干しなど加工品の製造販売も手がける。Profileご飯やおにぎりはもちろん、野菜や肉・魚・大豆製品にも。渡辺さんのおすすめは、「うすあげオンザ梅びしおチーズ焼き」。うすあげに醤油をたらして、シラス、茹でたブロッコリー、梅びしおとチーズ、マヨネーズを適量のせ、オーブンで3~4分焼いたら完成です。紅映梅は、梅干しのほか梅酒や梅ジュースにもおすすめ。購入後すぐに作れない場合は、洗って水分を拭きヘタを取って冷凍保存を。凍ったままの梅・氷砂糖各1kgと酢200㎖を瓶に漬けると、梅ジュースが完成。冷凍梅を使うと通常より仕上がりが早く、酢を加えることで保存性も高まります。オススメの食べ方豆知識右から2代目の渡辺良樹さん、しのぶさんご夫婦と、3代目の直輝さん〈早期割引5月4回・6月1回、 次回6月3・4回(ふくい~な)〉〈6月上~中旬頃予定〉宅ハ〈次回5月4回(ふくい~な)〉宅2015年 収穫体験交流会の様子ぜんだ屋 Zendaya.net渡辺農園の梅びしお(かつお風味)ハ2016.5月号2

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