がんばらにゃ2016年10月号
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 「産地や生産者、肥育から流通経路が明らかで、安全・安心な牛肉を」そんな願いから、県民せいきょうオリジナルのさつま自然牛は誕生しました。 さつま自然牛が育つのは、鹿児島県薩摩半島の南端に位置する指宿市。県民せいきょうと直接契約を結ぶ下川床農場と中島農場で大切に育てられています。 市街地から離れた森の中にある下川床農場は、1977年下川床正吉さんが28歳の時に開拓されました。現在は、奥さま、長男和隆さんと一緒にさつま自然牛150頭、交雑種230頭を飼育されています。周囲を木々に囲まれた牛舎は、空気がきれいで夏も涼しく、台風が多い土地柄ですが風の影響も受けにくいそうです。「単に大きく太らせるのではなく、ストレスなく健康に育てることが美味しい牛肉を作るうえで大切なこと。えさにビール粕や豆類を混ぜることで肉の風味が増して、脂身にも甘味がのり肉質もやわらかく消化のいい牛肉に仕上がるのですよ」と正吉さん。「毎朝一頭一頭観察することから一日が始まります。牛の体調に合わせてえさの配合を調整しているのですよ。物心ついたときから牛と一緒に育っているので、農場を継ぐことは自然な流れ」と頼もしい和隆さんの言葉。信用と信頼で、安全・安心を追求 鹿児島県産 さつま自然牛 中島農場は標高200m、人里離れた山の中にあります。風通しがよく、感染症予防にも効果的です。現在は、お父さまから農場を受け継ぎ、ほぼお1人でさつま自然牛など240頭を管理されています。普段はおとなしくおだやかな牛ですが音には敏感。野生動物の鳴き声や物音に驚かないよう、またリラックスのためにも常に音楽をかけています。最近は演歌がお気に入りだとか。 月齢ごとに分けられた牛舎で、生後6ヶ月から通常より1〜2ヶ月ほど長い21〜22ヶ月(未満)まで飼育し、体重が800㎏になると出荷されます。「生後10ヶ月までに丈親子2代で愛情を注ぐ下川床農場夫に育てておくことが大切。10ヶ月を過ぎれば、ほとんど病気にもかからないのですよ」中島さんは語ります。 さつま自然牛は、信用できる指定農場で、抗生物質にも頼らず、乳酸菌や納豆菌などの天然菌を使い、肉本来の免疫力を生かして元気な牛に育てられています。 と畜から加工までを担うのは鹿児島市内のカミチク。搬入後は一切外気に触れることがないよう衛生管理を徹底。2001年のBSE(狂牛病)や偽装問題が起こる前から生産履歴(トレーサビリティ)を導入。また2010年には国内食肉業界で初めてISO9001・22000認証を同時取得するなど、畜産加工の衛生管理システム構築の先駆けとなった信頼できる会社です。 ハーツでは毎年、鹿児島から生産者のみなさんにお越しいただき、さつま自然牛の対面販売を実施しています。組合員のみなさんと交流し、対話することができるのも産直生産者だからこそ。「福井を訪れるたび、『美味しい』『味の違いがわかります』など声をかけていただき、とても励みになっています」『尊い牛の命をいただいているので、無駄なく大切に組合員のみなさんにお届けしたい』という思いは、下川床さんや中島さん、そしてカミチクのみなさん共通の想いです。1人で守り続ける 中島農場徹底した管理に誇り カミチク組合員と生産者がともに育てあう生協の産直焼く直前に塩こしょうを振り、さっと焼いたところにわさびをひとつまみのせていただきます。肉の旨味や甘みがしっかり味わえ、大人の焼き肉に。オススメの食べ方中島農場 中島三十志さん「いつも買っています」の一言が何よりうれしい。下川床農場下川床 正吉さん、和隆さん、早苗さん「高くて美味しい肉は当たり前。安くて美味しければみんな喜ぶ」をモットーに。下川床農場中島農場(株)カミチクしもかわどこ〈毎週企画(ふくい~な)〉宅ハ▲子牛▲下川床農場2016.10月号2

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