がんばらにゃ2017年12月号
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 旬の時期ならではの色鮮やかなグリーンが、料理の名脇役として彩りを添えるぎんなん。越前ぎんなん生産組合では、永平寺町の山林で約1600本のイチョウの木を育てています。 品種は、9月から収穫が始まる早生の『金兵衛』と中生の『久寿』で、11月末まで収穫が続きます。「金兵衛は、きれいなエメラルドグリーン色で細長い形。久寿は、大きめのサイズで丸い形です」と河合さん。 毎年、春先に鶏糞を混ぜた肥料を与え、木を剪定。この作業が一番大事で、「高く伸びた枝を切って、できるだけ陽が当たるようにします。剪定しすぎると収穫量が減るので、見極めが大事です」と語ります。6月末から草刈りが始まり、9月以降は落ちた実を集めるためのシートやネット張りが続きます。「傾斜地で1本1本枝を払うのは、かなり重労働。草刈りもスズメバチやイノシシが出るので、ひとりで作業しないようにしています」。 収穫後は、果肉を専用機で取り除き、水洗いして乾燥後、保冷庫へ。ドラム式選別機でサイズ分けして出荷します。 収穫時期になると、鈴なりのぎんなんの実が黄緑から黄色へと色付いていくイチョウの木。ここまで育つまで、なんと30年近い歳月がかかっているのだそう。「ぎんなんを収穫するまで、植えてから約12年近くかかります。もともと林業をしてい1本1本丁寧に剪定してたわわな実りにつなげるたのですが、杉の価格が下がるのを受け、昭和63年から杉を切ってイチョウの木に植え替えていきました。杉以外で何を育てるか考えたとき、イチョウは他の果樹と違って虫がつかないので、農薬を使わなくてすむのもいいなと思ったんです」と振り返る河合さん。すべて独学のため「最初は、木と木の間隔を3m50cmで植えたけど、本来は8m程必要らしく、成長したら隣りの木とぶつかってしまった。よく勉強してから植えないとダメだね」と苦笑いするエピソードも。今では、全国から訪れる見学者を受け入れ、育て方の指導も行っています。 今後の展開として、「ぎんなんは、昔からいろんな薬効があるとされるもの。金沢大学に研究していただきながら、食用以外の使い方を見つけていけたら」と笑顔で語りました。30年近く独学で取り組み、ぎんなん農家の大先輩に組合員と生産者がともに育てあう生協の産直色鮮やかに、料理を彩る名脇役 越前ぎんなん越前ぎんなん生産組合オススメの食べ方長く保存したいときは、殻のまま、または殻と薄皮を剥いてから保存袋に入れて冷凍庫へ。室温で自然解凍し、調理を(冷蔵庫は乾燥しやすいので長期保存には不向きです)。〈次回12月2・3・4回(ふくい~な)〉〈12月中旬頃~予定〉宅ハ豆知識越前ぎんなん生産組合(永平寺町)代表 河合 康二さん昭和63年に創業し、永平寺町の山林でイチョウを生育。9月中旬から11月末にかけ、約8~10tのぎんなんを収穫しています。Profile▲収穫の様子▲選別機でサイズ分け「殻に割れ目を入れてフライパンで乾煎りし、割れ目が広がったら火を止め、ゴマ油を風味付け程度にほんの少し絡め、塩を振って食べるのが一番美味しい!」と河合さん。ゴマ油をオリーブオイルにしてもOKだそう。食べすぎないよう、気をつけて(小さいお子さんには食べさせないでくださいね)。わ せなかてくじゅう2017.12月号2

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