がんばらにゃ2017年12月号
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Vol.24物を持つということ消費生活セミナーで1月に開催される「くらしの講座」より、思考や空間など暮らしの整理をサポートするライフオーガナイザー®の吉田 由香利さんに、『今日から始める実家の片づけ~親の持ち物とその思い~』についてご紹介いただきました。 「これ、いるの?」「いる!」「使わないでしょ?捨てるよ」「何で!」このような会話をした覚えはありませんか? 今、世の中にはたくさんの物があり、私たちは必要とした時に手に入れます。物のおかげで、日々の暮らしはとても便利になったり、楽しくなったり、たくさんの良いことがあります。 その反面、技術の進歩により新しい物が次々と開発され、私たちはもっと便利で良い物を求めるようになりました。そして必要以上に買い込んでしまい、物を持て余したりスペースが足りなくなってしまったり…。私たちにとって良いはずの物が、いつのころからか暮らしそのものを困らせる存在になってしまったようです。 そのような中で最近では、物をいかに減らして暮らしていくか、ということが注目されているように感じます。 ただ、「暮らし方」というのは人それぞれです。何を必要として、何を持つのかということは、自分が決めることです。まず、自分自身のこれからの暮らし方や何を大事にしたいのかを考えてみましょう。そうすることで自分が必要とする物、持ちたい物がわかります。 そうは言っても年齢を重ねると所有する物は増えてしまいがちです。もう必要ないとわかっていてもなかなか手放すことが難しいのです。それはなぜでしょう。「…まだ新しいから」「…高価だったから」「…いつか使うかもしれないから」など様々な理由があります。 特に戦後の厳しい時代を経験された世代のみなさんにとって、物を大切にしたいと思うことは当たり前かもしれません。その中には、暮らしに必要な物もあればそうでない物もあります。 実は物を持つということは、ただ単に物としてだけではなく、好きとか大切にしたいという感情やあの時あの人からもらったというような思い出に変わっているのです。持っているのは「物」でもあり、「思い」でもあるのです。 ある方が、以前から実家の食器棚にずらりと並んだプリンの空き容器がとても気になっていたそうです。使うわけでもないようなので黙って処分したところ、お母さんはとても悲しまれ勝手に処分した娘さんを責めました。 実はそれは、亡くなられたご主人と、まだ小さかったお孫さんたちが一緒に食べた時のカップだったそうです。お母さんにとっては単なる空き容器ではなく、家族と楽しい時間を過ごした思い出だったのですね。 子どもの立場として、親の暮らしをどのように考えたらいいのでしょう。また、親自身がこれからどうしたらいいのでしょう。決して物を持たないことだけが良いのではありません。これからの暮らしの為に何を持つか、何を持ちたいのか、それが大切なのです。 そんなことを、ぜひ親子で話し合って、一緒に考えてくださいね。 今、実家の片づけがとても注目されています。世代交代の際に大変な思いをしたくない、また、させたくないという思いから、今から整理をするのです。実家に暮らす親の暮らしが安全で安心なものになるように片づけを進めていただきたいものです。「自分らしい心地いい暮らし」をテーマに、各種セミナーや個別サポートを行っている。県民せいきょうLPA(ライフプランアドバイザー)の会でも活動中。ファイナンシャル・プランナー®(CFP)アクティブ・ペアレンティングリーダーPROFILE吉田 由香利さん今日から始める実家の片づけ ~親の持ち物とその思い~福井県消費生活センター委託事業 消費生活セミナー  1/19(金) 13:30~15:00 プラザ萬象(敦賀市東洋町1-1)  25人(申込先着順) 1/20(土) 13:30~15:00 ユー・アイふくい 301・302(福井市下六条町14-1)  50人(申込先着順)無料  マスターライフオーガナイザー® 吉田 由香利氏テーマに関心のある福井県民  各日の前日まで(公社)ふくい・くらしの研究所 TEL:0776-52-0626時講定¥対締所申親にはいつまでも元気で暮らしてほしいと思うのは誰しも同じです。しかし、親子であっても、モノ、コトの思いは同じとは限らないことを理解していますか?親が安心して安全に、健康に暮らせる環境を整えるための片づけのポイントを学習します。くらしの講座【生活設計】親と子の思いマスターライフオーガナイザー®定連携:福井ライフ・アカデミー※本講座は、福井県消費生活センターからの受託により、(公社)ふくい・くらしの研究所が企画・運営しています。2017.12月号4

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