がんばらにゃ2018年2月号
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参考レシピ(10・11ページ)▲ 勝山水菜は、江戸時代から勝山市で作られている伝統野菜。一般的な水菜と比べて茎が太く、食感も味も異なります。「白水菜」と「青水菜」の2種類あり、松川さんが育てているのは「白水菜」で、色が薄く、シャキシャキとした食感で、ほのかに甘くて苦味が少ないのが特徴です。 松川さんは、「トンネル栽培」と呼ばれる昔ながらの露地栽培で勝山水菜を育てています。「10月頃に種をまき、15センチ程に伸びたところで畑に植え替えます。勝山は雪が多く、早いときは11月頃から降るのですが、一度雪の下になることで甘みが出るんですよ」と語る松川さん。12月下旬頃に雪をかき、畝の間に荒土(地区)の山から引いた水を流して雪をとかし、株の中心だけを残してビニールのトンネルで覆います。2月頃、雪深い厳しい寒さのなか、トンネルの雪をかきビニールを外して、新しく育った菜っ葉を、手作業で収穫。真冬の井戸水で洗って出荷します。 勝山水菜は太くしっかりとした茎が特徴で、「雪が降るまでに、いかに株を太くするかが大事です」と栽培の難しさを語ります。 松川さんが勝山水菜を作り始めたのは、2003年頃。当時は、工場を営みながらの兼業農家でした。「郡地区の農家さんから種を分けてもらい、試行錯誤しながら栽培しました。ときには自己流になって失敗したこともあります」と振り返ります。 それでも「農薬など、使わなくていいものは使わずにやりたい」、「特徴のある野菜を作るシャキシャキとした食感深雪の下で育つ勝山水菜方が、今からの時代にあうのでは」という思いから、寒さに強く、虫がつきにくい伝統野菜 勝山水菜にこだわってきました。今も農薬や化学肥料をできるだけ減らし、雪の中で作業する昔ながらの栽培方法を守り続けています。その誠実な姿勢に、たんぽぽツアーで訪れた組合員のみなさんからは「大変な苦労をして作られているのがわかった。感謝の心でいただきたいです」という声が寄せられています。 「やはり大切なのは、きちっとしたものを作ること。これからも伝統を絶やさず、後世に守り残していきたいです」と語る松川さん。2017年から息子さんも就農し、世代を超えて勝山の伝統野菜を受け継いでいます。親から子、世代を超えて昔ながらの栽培法を継承組合員と生産者がともに育てあう生協の産直勝山で守り続ける、伝統野菜 松川さんの勝山水菜松川農園松川農園(勝山市)松川 隆さん2007年に、専業農家へ転身。ネギを中心に、勝山水菜などの野菜を栽培。現在、14アールの畑で、勝山水菜を育てています。Profile▲たんぽぽツアーの様子塩少々を加えたたっぷりの湯に根元から先に浸しサッと茹で、冷水にとり4~5cmに切る。茹ですぎないのがポイントです。※茹でる前に根元に 十文字の切込みを 入れると、むらなく 早く火が通ります。〈次回2月2・4回(ふくい~な)〉 ※天候に左右されやすいため、遅配になる場合もございます。宅基本の茹で方勝山水菜のおひたしオススメの食べ方勝山水菜の中でも、白水菜は苦味が少なく、料理の幅が広いそう。「サッと茹でれば太い茎も柔らかく、おひたしにする人が多いのですが、お味噌汁に入れても美味しいですよ」と松川さん。煮るときは一度サッと茹でてから、油で炒めるときは生のまま調理を。煮物、炒め物、サラダなどアレンジを楽しんで。こおり2018.2月号4

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