がんばらにゃ2018年5月号
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 とろりと濃厚で、黄身はお箸でつまめるほど大きく、白身に弾力のある福地鶏のたまご。黒川さんが飼育したものはほのかに甘く、「いちど食べるとやみつきになる」と評判です。 福地鶏は、福井県畜産試験場が開発を進めてきた福井県の地鶏です。福井市内で長年改良されてきたウエミチレッドの雄と純国産鶏の岡崎おうはんの雌を交配して誕生しました。黒川さんは、2016年10月から福地鶏の実証試験に参加。2017年4月から正式に飼育を始め、6月からたまごを販売しています。 現在、県内農家17舎で福地鶏が飼育されていますが、生産者によって品質に差がでないよう飼育方法は平飼いが原則。鶏舎内は1㎡あたり6羽(28日齡以降)で鶏が元気に動き回ることができ、餌に県産飼料米を10%以上配合するなどの基準があります。 黒川さんの鶏舎には、野鳥と接触しないよう窓はありません。産卵しやすいよう毎朝午前2時半頃から照明を明るくし、8時にたまごを回収。下洗い後、機械で洗浄し、ひとつひとつ手作業でパック詰めしています。 独自に勉強しながら、福地鶏の飼育を試行錯誤してきた黒川さん。鶏も人もストレスなくたまごを回収できる仕組みなど、鶏舎には父親の利隆さんのアイデアが満載です。また、鶏の腸内環境を良くするため、とうもろこしや大豆、小麦などの配合餌の他に、カットした野菜を酢漬けにし乳酸発酵したものを与えています。「近くのふくいレインボーファーム(生協農場)さんから、キャベツや人参などの規格外品をいただいています。こちらからは鶏糞を畑の肥料として提供し、環境に配慮した循環型農業のリサイクルループに取り組んでいます」と公美子さん。発酵した野菜は、鶏たちの大好物。「ケーキ店などから、うちのたまごは甘くて、湯せんしてもくさみがなくて使いやすく、白身も弾力があって泡立ちやすく消えにくいと好評なのですが、この餌のおかげかもしれませんね」とニッコリ。 公美子さんは、福地鶏推進協議会の初代会長としても活躍中。「スタートから1年間は、あっという間でした。福地鶏の知名度も、徐々に上がってきているのかなと思います」と振り返ります。娘の友紀子さんも一緒に、親子3代で福地鶏の飼育に励む日々。「いつか福井県を代表するたまごになってくれれば」と、家族仲良く笑顔を交わしました。組合員と生産者がともに育てあう生協の産直濃厚で、ほのかに甘い赤玉たまご 福地鶏のたまご黒川産業オススメの食べ方「中学生の息子のお気に入り」という、公美子さんのふんわりオムレツ。白身を先にメレンゲ状に泡立て、黄身、塩・こしょう、白ダシ、砂糖を少々混ぜ合わせ、ふんわりと焼き上げます。ケチャップや焼き肉のタレ、お好み焼きソースなどをかけて。〈次回5月3・4・5回(ふくい~な)〉宅ハ有限会社黒川産業(あわら市)創業48年の養鶏農家。福井県畜産試験場が開発した福地鶏の飼育を手がける。年間、若鶏約14万羽、福地鶏800羽を飼育。Profile左から黒川 友紀子さん、利隆さん、公美子さん野菜を酢漬けにした餌福地鶏は、「たまごかけご飯やオムレツが美味しい」と公美子さん。たまごかけご飯は、長芋をせん切りにして白飯にのせ、その上にたまごを割り入れてかけ、ネギを散らし、お醤油をくるりとたらせばできあがり。粘りのあるとろとろの食感を楽しんで。…ハーツ・      …宅配 で取り扱っています ※取り扱い状況は、変更になる場合もありますのでご了承ください。宅5

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