がんばらにゃ2019年6月号
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 甘くてみずみずしい、食欲をそそる真っ赤なトマト。フジタファームでは、桃太郎という品種のトマトを、樹上で完全に熟させてから収穫。甘さと酸味のバランスに優れた、完熟トマトの美味しさを追求しています。「完熟してから収穫するので、トマト本来の味がします。実が青い段階で収穫し、店頭に並ぶまでの間に赤くなるものとは、甘さや食感が全然違うんです」と藤田さん。現在、5棟のハウスで3400本のトマト苗を栽培。年間で10〜12トンを出荷しています。 苗の植え付けは、3月中旬頃から始まります。手摘みで脇芽をとる「芽かき」という地道な作業を続け、花が咲く頃に国産のマルハナバチをハウス内に放ち受粉させます。4月上旬になると、茎にヒモを結び、ハウス内に渡した上部のワイヤーにくくり誘引。これは「吊り下げ栽培」と呼ばれるもので、大人の身長を越える高さにまで成長します。6月上旬から始まる収穫時期は、早朝5時半から収穫して、奥さまとパートの方が選別や袋詰めをし、午後には出荷します。 藤田さんは約25年前に脱サラし、福井市北部エリアでフジタファームを開業しました。「ハウスは引っ越しできないから、土づくりは大事。田んぼだったところを畑に適した土に改良したんですが、もともとこのあたりは水はけの良い砂地で、美味しいトマトをつくりやすいんですよ」と教えてくれた藤田さん。 就農時の農業研修を経て「自信を持って提供できる安全・安心な野菜をつくりたい」との思いから、2001年に減農薬・無化学肥料の福井県特別栽培農産物およびエコファーマーの認証を取得。できるだけ農薬の使用を控え、県内の酪農家から譲り受けた牛糞堆肥による土づくりなどに取り組んでいます。 生協の産直活動ではトマト収穫体験など、組合員のみなさんとの交流を長年続けています。「組合員さんから〝しっかり熟していて、味が濃くて美味しい〞〝トマト嫌いの子どもが食べられるようになった〞などの声をもらうと励みになります。生協の産直は組合員さんと直でつながっているから、いい加減なものは出せないと緊張感を持ってやれるのが良いですね」と微笑みました。ハウスで吊り下げ栽培し完全に熟させてから収穫土づくりにこだわって安全・安心なトマトを提供組合員と生産者がともに育てあう生協の産直完熟した甘さとみずみずしさ 藤田さんのトマトフジタファームフジタファーム(福井市)藤田 偉一さん13棟のハウスで、トマト、ブロッコリー、春菊、水菜などを栽培。福井県特別栽培農産物およびエコファーマーの認証取得。Profile▲トマト収穫交流会の様子「冷やしすぎると本来の味が分かりにくくなってしまうので、ご注意を。わが家の定番はカプレーゼ。薄くスライスしたトマトとモッツァレラチーズを交互に盛り付け、オリーブオイルと塩、こしょうのシンプルなドレッシングがオススメ」と藤田さん(参考レシピ:11ページ)。袋の口を一旦開封し、トマトが重ならないようヘタを下にしてから袋を閉じ冷蔵庫へ。完熟したものをお届けしていますので、なるべく早めにお召し上がりください。オススメの食べ方〈6月3回~7月4回(毎週予定)(ふくい~な)〉宅ハ上手な保存方法2019.6月号6

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