がんばらにゃ12月号
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 元米黒牛は肉質に優れた黒毛和種と乳用種を交配させた交雑種で、鹿児島県を中心とした九州各地に生産拠点を置くカミチクグループ(以下カミチク)が手がけるブランド牛です。カミチクは飼料づくりから繁殖、子牛の哺育、育成、肥育まで、徹底した一貫体制を確立しているグループ企業です。 元米黒牛に用いる飼料は、九州管内の契約農家が育てた飼料用イネや飼料用米を、カミチク直営工場で栄養価の高い発酵飼料に加工したものです。牛舎では牛にストレスがかからないよう、リラックス効果のあるオルゴールの音を流し、夏場は屋根の上から水を流して冷却するなど暑さ対策も万全。一般的な期間より長い約40ヶ月間にもわたり飼育することで、オレイン酸含有量が高いあっさりとしたくちどけの良い脂質と、細やかな筋繊維のやわらかな食感を実現しています。 また、近年は、九州各地の大学などとの産学連携やベンチャー企業と連携したIoTの活用など、異なる業界との交流も推進。「全国有数の鹿児島県の畜産も、飼養戸数は年々減少しています。従業員の平均年齢はグループ全体で30・9歳(2019年5月現在)と若い方なのですが、今後、少子高齢化社会が進むなか、新しい技術を取り込み人手不足をカバーできれば」と永野さんは語ります。 カミチクは肉牛・乳牛の生産に留まらず、食肉や乳製品の製造・加工、産直スタイルの外食店までトータルに手がけています。これは上村昌志代表が、畜産の苦労や6次化の重要さを知る父親の想いと教えを受けてつくりあげた独自のスタイル。エサづくりから外食産業まで一貫体制で取り組むことで、安定した飼育と高品質な肉質の開発が可能となり、安全・安心で良質な牛肉を納得のいく価格でお届けすることができるのです。 さらに、2010年には、HACCPに基づいたISО22000の認証を取得。県民せいきょうとの取引は、約20年以上続いています。 今後は、「一貫体制をより強化するため、自分たちでつくる飼料の量を増やしたい」と展望する永野さん。「自分たちが自信をもってつくったものをお客様にお届けしたい」という想いのもと、カミチクの挑戦は続きます。徹底した一貫体制のもと長期飼育をした元米黒牛製造・加工や店舗も展開安全・安心で良質な牛肉をお米を食べて、元気に成長 九州の元米黒牛カミチクグループオススメの用途牛肉の基本知識 牛肉の部位と組合員と生産者がともに育てあう生協の産直原料部 課長 永野 伸一さん(右)営業部 下温湯 大和さん(左)カミチクグループ独自の6次化スタイルを確立。約1万8,000頭の牛を飼うなか、元米黒牛は約2,100頭を占める。Profileげん  まい   くろ  うしタンネック肩ロース肩肩バラともバラらんぷしんたまヒレすねリブロースサーロイン外もも内ももすねリブロース・サーロイン………ステーキ・しゃぶしゃぶ・すき焼き肩バラ…煮物 肩・肩ロース…すき焼き・焼き肉らんぷ…ステーキ・ローストビーフ外もも…カレー・シチュー・焼き肉・しゃぶしゃぶ・炒め物内もも…ローストビーフ・たたきヒレ……ステーキ・カツレツすね……ビーフシチューなど煮込み元米黒牛サーロインステーキ用〈●12月3回(ふくい~な)〉宅ハ新2019.12月号2

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