がんばらにゃ2021年3月号
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通信 2020年度の総研究数は40事例。研究テーマを生協福祉のケア指針である「10の基本ケア」とし、今年度は各事例ポスターと共に発表の様子を動画に収め、視聴した中から投票を行いました。 今回、職員に一番支持された研究は、丹南きらめき 小規模多機能型居宅介護の『国を越えて あなたらしい生活のために…』です。外国人利用者を初めて受け入れ、言葉の問題を少しずつクリアしながら小規模ならではの細やかなケアを実践し、最終的に「願いを叶えて欲しい」というご本人の思いのもと、実践した様子を報告してくれました。投票した職員からは、「外国人に対するケアの経験もなく、どのようにしてコミュニケーションをとり、他利用者と調和をとるのか、自分ならどうするのか考えながら観た。少ないケー❶換気をする 新鮮な空気を取り込み衛生的な空間に することで、病気にならない環境づくり❷床に足をつけて座る 足を使う習慣で、身体や脳を 刺激しながら生活行為が 自分でできる体づくり❸トイレに座る トイレで排泄する〝あたり前〞の習慣で 自尊心が高まるサポート❹あたたかい食事をする 親しい方との食事の楽しみを継続し、 活力や栄養状態を高めた身体づくり❺家庭浴に入る 湯船にゆったりとつかり、温浴効果を 取り込んだくつろげる生活づくり❻座って会話をする 落ち着いた雰囲気で、不安や将来への 希望を話し合える人間関係づくり❼町内にお出かけをする 外に出かける習慣で生活リズムを整え、 地域の人々とのつながりづくり❽夢中になれることをする 自分の「したいこと」「したかったこと」に 夢中になれる機会や居場所づくり❾ケア会議をする くらし方やサポートの方向性を ご本人、ご家族、関係者と行う 対話の場づくりターミナル(終末期)ケアをする 最期までご本人らしく過ごすための 医療・福祉・介護による 連携したサポートづくり「あなたらしさいつまでも」をめざして〜第5回 高齢者介護 事例研究発表会からの報告〜高齢者介護施設きらめきでは、全13拠点で実践している取り組みを職員同士が共有し、グループ全体のサービスの質の向上と、根拠あるより良い介護実践につながることを目的に、毎年事例研究発表会を開催しています。スだからこそ考えさせられる研究」「将来直面する問題に取り組んでいた」という感想が寄せられました。 次点には、次の2事例が選ばれました。 宝永きらめき 小規模多機能型居宅介護の『家では怖いんや!〜自宅でのトイレ自立に向けて〜』では、右半身麻痺のひとりぐらしの男性が転倒への恐怖と思うように動かない身体に向き合いつつも、自宅トイレでの排泄自立に向け生活リハビリを続け、日中下着はトランクスで過ごせるようにまでなった様子が報告されました。モチベーションを維持するために「やりたいこと」や「今後の生活」の話を繰り返し行い、成功体験を重ねたことで積極性が増し、本人の自信へとつながっていった様子に投票した職員からも称賛と労いの声が聞かれました。 同率の敦賀きらめき 訪問・居宅介護の『窓をあけてみよう』では、足の踏み場もなく窓があけられない部屋で何年も過ごされていた女性が、ヘルパーと共に片付けることで自らも家事をするようになり、 今年初めて動画視聴による投票という形をとりました。各事業所が利用者の思いと共に1つの目標に向かい取り組んだ成果を職員みんなで共有できたことは、自身の現業務の見直しにもなり、また結果に感化され、今後のケアに対する意識の向上につながった結果となりました。 きらめきは、これからも利用者の声に耳を傾け思いに寄り添い、望む生活の実現に向けた支援に取り組んでいきます。「要介護3」が「1」にまで改善された様子が報告されました。生活環境がいかにご本人の精神に影響していたか分かる取り組みでもあり、部屋の整理整頓が意欲や自信にまでつながった様子は、利用者の思いに寄り添いケアすることの大切さが分かる内容でした。きらめき通信 ミニ講座検索バックナンバー10の基本ケア(ケア指針)beforeafter『国を越えて あなたらしい生活のために…』『窓をあけてみよう』2021.3月号10

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