がんばらにゃ2021年9月号
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健康応援 先日、落語を聞いていたら、「健診に行ったら禁煙を勧められた。禁煙は本当にむずかしい」というまくらがありました。オチは「たばこを吸っていないから」というものです。健診の後の的外れな指導はついに落語のネタになったかと驚きました。さすがに現実にはこんなことはないと思いますが、たばこを食事に代えたら「あるある」だと思いました。例えば血圧が高いと(食習慣を調べることもなく)「めん類のスープを残しましょう」とか「漬物は控えて」とか言われることがあるからです。落語とまるで同じです(笑)。 減塩にもたくさんの方法があります。「めん類のスープを残すべき人」、「漬物を控えるべき人」、「調味料を控えるべき人」、「干物に気をつけるべき人」…、人によって少しずつ違います。あなたが控えるべきは、「めん類のスープ」でしょうか、「漬物」でしょうか、「調味料」でしょうか、「干物」でしょうか?その優先順位はどうなっているのでしょうか?どのくらい控えればよいのでしょうか? BDHQに答えるといろいろな結果が返ってきます。食事全体としてのあなたの特徴をまとめたものが前回ご紹介させていただいた「一般基本編」です(左ページ4(★図1))。これはすべての人に見ていただきたい結果です。 「一般基本編」で摂取量が計算される13種類の栄養素について、ひとつずつもっと詳しい結果がわかるように作られた個人結果が「栄養素編」です。今回はその中の「食塩編」を紹介します。左の★図2はBDHQに回答いただいた方の結果です。 まず、この方の食塩摂取量が食品群別にグラフで示されています(❶)。この方の食塩摂取量が(同じ性別で同じ世代の人に比べて)少し多いことがわかります。それよりも役に立つのが、食品群ごとの摂取量の表です(❷)。ここを見れば、どの食品群に注意し、どの食品群を控えるべきかが一目瞭然です。その表には、食塩の主な摂取源となりうる食品を取り上げて、この方の摂取頻度が示されています。ここを見れば特にどの食品に注意したいかといった細かいことがわかります。 その他、減塩のための具体的な方法も紹介し、どの方法があなたに合っているかがわかるようになっています。ぜひ、ご自分の結果を見ていただき、ご自分専用の減塩作戦を立て、効率的で無理のない減塩に励んでいただければ幸いです。 今回は「食塩編」でしたが、機会があれば、他の結果についてもご紹介させてください。美味しく健康的な食習慣のためにぜひBDHQをご活用ください。PROFILE東京大学大学院医学系研究科 社会予防疫学分野 教授。医師・医学博士。京都大学工学部、大阪大学医学部卒業。厚生労働省が策定している『日本人の食事摂取基準』の策定で中心的役割を担うなど、日本における栄養学、栄養疫学の第一人者。「佐々木敏のデータ栄養学のすすめ(女子栄養大学出版部)」他著書多数。東京大学 教授佐々木 敏氏食生活バランス診断︵BDHQ︶無理なく自分に合った減塩・食習慣改善を! どの食品から食塩をとっているか、みてみましょう。あなた◆上手に減らすポイント ①食塩が多い食べ物の食べる頻度を少なくする。 ②食塩が多い食べ物の1回あたりの食べる量を少なくする。1回に食べるおよその量にはどのくらい(何g)の食塩が入っているのでしょうか。食品・料理みそ汁(1杯当りの汁の量)1501.01日3杯週1回飲まなかったほとんど使わない週4-6回週2-3回食べなかった食べなかった0.86.01.01.13.05.11.61.30.9(ゆでうどん) 250(全部飲むと) 300(小皿にしょうゆ) 6(ソース1かけ) 18(アジ開き1枚) 100(鮭中辛1切) 80(ハム4枚) 60(小1皿) 35(小1皿) 35めん類めん類のスープ・汁を飲む量調味料(しょうゆ、ソースなど)魚の干物・塩蔵魚緑の濃い葉野菜の漬物その他の野菜の漬物ハム・ソーセージ・ベーコン1回に食べるおよその量(g)食塩の量(g)上手に食べるワンポイントあなたの摂取頻度、習慣あなたの値は質問票で調べた結果です。答え方の影響を受けますので、あくまでも「およその量」と考えるようにしてください。調味料類穀類魚介類野菜類肉類乳類その他平均的な日本人 ポイントは、漬物、魚・肉の加工品、みそ汁、調味料です。❶❷食塩のとり方が気になるあなたへのメッセージ■高血圧症やがん(胃がん)の予防のために、とりすぎないよう気をつけましょう。■ご自分でできる食事改善について考え、できる範囲内で挑戦してみましょう。あなたの摂取量(1日あたり)     およそ11.9g 平均的な日本人の摂取量(1日あたり) およそ10.6g めざしたい摂取量(1日あたり)      7g未満 塩を控えめの浅漬けにして楽しみましょう。加工・保存のためにたくさんの食塩が入っています。新鮮な魚を塩焼きにした方が食塩控えめで食べられます。控えめに使って、素材の味をじゅうぶんに楽しむように心がけましょう。スープはなるべく残すように心がけてみましょう。また、めんにも食塩が入っています。具だくさんにすると、1杯あたりの汁が減るので、減塩ができます。詳しくはこちら食生活バランス診断(BDHQ)「一般基本編」★図2食塩編2021.9月号2

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