がんばらにゃ2021年11月号
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通信るだけでなく、声を聴く場にもしています。始めたばかりの頃は「何でもいいです」と消極的な発言をされていた方も、今では「俺、ハーツ」「私はトヨタ」「○○さん、一緒にしましょうよ」とメンバー同士で想いを話すことが増えてきました。 BLG丹南になる以前からデイサービスに通われている方の中に、趣味だった裁縫でお世話になった人のために何かしたいという想いから、裁縫を再開した方がいらっしゃいます。他のメンバーとともに雑巾を縫い、越前市内の幼稚園や保育園に寄付を行いました。ご本人からは「BLGのために何かするのは『生きがい』を感じる」と、またご家族からは「食べ物を選んだり、ミシンをかけたり、そういうことができてデイサービスの時より楽しいと言っている」と喜びの声をいただいています。 ご自身が認知症と分かっている方もいらっしゃいます。その方は当初、認知症を否定し、介護保険を使うことや、福祉施設想いを一緒に実現中丹南きらめき あったかホーム(BLG(※1)丹南) (※1)BLGは『Barriers(障がい) Life(生活)                       Gathering(集いの場)』の略 「様々な困難」を持ち「生活」のしにくさを感じている認知症当事者は、毎日の生活場面で生きづらいと思う社会環境が障がいであると感じています。その障がいを感じている人たちが集い発信することで、生活しやすい社会をつくり、仲間とともに想いを実現することができる場所が「BLG丹南」です。 丹南きらめき 認知症対応型デイサービスが「BLG丹南」になり社会とつながる(社会参加型)取り組みをスタートしてから、1年半が経ちました。現在、ハーツたけふや、福井トヨタ自動車(株) サンドーム南店、ユニフォームネクスト(株)の担当者のみなさまとメンバーが一緒に話し合い、試乗車の清掃やチラシの封詰めなど、「ハタラク」活動をしています。これまでの活動を通じて見えてきたメンバー(※2)の変化を紹介します。 BLG丹南では「メンバーの想いを一緒に実現する」ことを大切にし、必ず朝の会を行い、当日の予定をメンバーに相談し決めクラブ活動をスタート 小規模多機能ホーム 江守きらめきハウスでは、利用者のみなさんに有意義な時間を過ごしてもらえるよう一期一会をモットーに、7月から「クラブ活動」をスタートしました。 クラブ活動を通してご利用者と職員が“一緒に過ごす時間”を大切にし、一人ひとりの声に寄り添い耳を傾け、「○○したい」「○○してみたい」という興味を引き出せるよう取り組んでいます。 クラブ活動は、体操散歩・おやつ・折り紙・書道など9つ。職員1人が1つのクラブを受け持ち、オリジナルに展開するために試行錯誤中です。 きらめきハウスのみなさん、これからも一緒にクラブ活動を楽しみましょう!江守きらめき☆きらめきハウス(※2)メンバー=BLGに集い、一緒に活動し関わっ  た全ての人たち(お互い助け支え合う仲間)に行くことを頑なに嫌がられていました。今では「忘れてしまう」ことを自ら話し、他のメンバーの「想い」を引き出すきっかけになっています。ご本人からは「私、認知症と分かっていますが、自覚はしていません。でも、こうやって人と話したりすることはいいと思っています」と、またケアマネジャーからは「いろいろな活動ができ、本人さんの力が生かせているようでよかったです」と言葉をいただいています。 1年半、想いを聴きともに活動していく中で、メンバー自らが持つ力に驚かされ、その声から『新しい活動やつながりが生まれる』ことを実感しています。 まだ形になっていない活動もありますが、今後も想いを一緒に実現していくことで、メンバーが自分らしくいられる場所をつくっていきます。お問い合わせ先江守きらめき(福井市江守中町2号12番地) TEL.0776-35-0660TEL.0778-22-5002時間/9:00~17:00(月~金)丹南きらめきあったかホーム(BLG丹南)リーダー 井坂 夏実(介護福祉士)高齢者介護きらめき2021.11月号10

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