がんばらにゃ10月号
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シャキシャキ食感とほのかな甘さ若手生産者が丁寧につくる春秋期間限定、越前レタスフレッシュな朝採れの甘み若手生産者の交流も育んで 肉厚でシャキシャキとした食感とほのかな甘さが魅力の、越前レタス。JA福井県丹生基幹支店では越前レタスの特産化をめざし、福井市と越前町の若手生産者を中心に本格的な栽培に取り組んでいます。 越前町でクロダ農園を営む黒田創一朗さんも、そんな若手生産者の一人。6年前に農業を始めたとき、同支店の青山倫之さんから越前レタスの栽培を勧められました。「農業経験はまったくなかったのですが、青山さんや県の普及指導員の方に教えてもらいながらやっています」と黒田さんは微笑みます。 越前レタスの収穫は、春と秋の年2回。秋は9月上旬頃に植え、10月下旬頃に収穫します。植え付け前に大切なのが土の状態で、「ここの土は粘土質なので、サラサラした細かい土をつくっておきます」と黒田さん。また、秋植えの期間は気温差が激しく、植え付け時は地面が高温となるため灌水チューブでシャワー状に水を与え、収穫時は変色の原因になる霜や寒さから守るため不織布などでレタスを丁寧に覆っていきます。 越前レタスの大きな特長が、「朝採れのこだわり」です。生産者はまだ暗い午前4時から収穫を始め、午前9時までに集荷。その日のうちに、ハーツなど県内のスーパーに陳列されます。 「新鮮な朝採れは甘みの強さが全然違かんい、レタスそのものの味がします」と語る青山さん。春秋の期間限定生産という希少さと朝採れのフレッシュさは、付加価値につながるもの。「若い生産者に、しっかり儲けてほしい。そうすることで、若い人が農業へ飛び込んでくれるようになったら嬉しいですね」と展望します。8年前に生産を本格化してから、若手を中心に越前レタスの生産農家は10戸に増加。若い生産者のコミュニティも生まれ、今年は年間16万玉の収穫が見込まれます。 そうした中で、黒田さんは現在、ホームページやSNSを通してレタス収穫などの農業体験を募っているそう。「採れたての野菜を食べる経験はなかなかない。子どもと一緒に収穫を体験してもらえたら」とニッコリ。越前レタスの活動から、農業の可能性を広げています。「トマト鍋でしゃぶしゃぶにすると、レタスが1玉あっという間になくなります」と黒田さん。トマト、きのこ、ウインナーなどを煮込んだトマト鍋にレタスをサッとくぐらせると、クタッとした中にシャキシャキ感が楽しめます。組合員と生産者がともに育てあう生協の産直JA福井県丹生基幹支店越前レタス〈次回10月3・4回(ふくい〜な)〉実は、レタスは収穫後も成長を続けています。「そのまま成長すると苦みが出るので、冷蔵庫で保存する前にレタスの芯につまようじを刺して傷を付け、成長を止めると良いですよ」とのこと。この一手間で10日間程もつそうです。ハ〈10月中旬〜〉朝採れ販売はInstagram(@fukuicoop)などで案内予定宅クロダ農園(越前町) 黒田 創一朗さん越前レタスやスイートコーンなどを栽培。春と秋の年2回、約1.2haの畑で越前レタスを育てている。また、季節に合わせた農業体験も行っている。https://kurodanoen.com/Instagram:@kuroda.noen2022.10月号2Profile(左)黒田さん (右)青山さん上手な保存方法オススメの食べ方

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