災害とは地震や豪雨のみならず、近年の夏の異常な高温も一種の災害と言えるのではないでしょうか。暑い季節に起こりやすい熱中症とは、高温多湿な環境に長時間いることで体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態のことを言います。今回は熱中症について気を付けたいポイントをお伝えします。外出はできるだけ控え、暑さを避ける見守り・声かけを行う 高齢者、小さい子ども、体調不良の方、肥満の方、普段運動をあまりしない方は熱中症になりやすいです。夜間を含めエアコンを適切に使用することやこまめな水分・塩分の補給などを行うよう、身近な方から声をかけましょう。涼しい場所へ体を冷やす水分補給62024.8月号福井県防災士会のご協力の下防災に関するお役立ち情報を毎月お届けします 例年8月は真夏日や猛暑日が多くなります。最高気温30℃以上を真夏日、35℃以上を猛暑日と言います。2023年、三国では福井県内の最高気温を更新する39.5℃を記録しました。また福井県では真夏日が55日、猛暑日が32日もありました。 このように暑い夏には熱中症に気を付ける必要があります。熱中症は命を落とすこともある危険な症状です。厚生労働省が発表した2022年のデータ(※)では全国で年間1,477人、福井県で年間11人の方が命を落としています。年齢別に見ると65歳以上の方が86%を占めます。一方、炎天下の屋外だけでなく、屋内で熱中症にかかる場合が半数程度あります。屋内外ともに適切な対策をとって熱中症を予防しましょう。 「熱中症警戒アラート」、「熱中症特別警戒アラート」は暑さ指数(WBGT)をもとに前日か当日朝に発表されます。これらのアラートが発表されたら、以下のことに気を付けて過ごしましょう。 不要不急の外出はできるだけ避けましょう。室内ではエアコンなどを適切に使用して部屋の温度を調整しましょう。エアコンのフィルターの掃除もお忘れなく。(※)厚生労働省 熱中症による死亡数 人口動態統計(確定数)よりhttps://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/necchusho22/index.html参考ホームページ・環境省 熱中症予防情報サイト https://www.wbgt.env.go.jp/・厚生労働省 熱中症予防のための情報・資料サイトhttps://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nettyuu/nettyuu_taisaku/ 特に注意して欲しいのが、屋内にいる高齢者です。高齢者は、暑さを感じにくい上に発汗と血液循環が低下し、暑さに対する耐性が低下しています。また、障がいのある方の中には、汗をかけない・体温調節ができない方もおられます。のどが渇いていても気付かない・自分で水分が摂れない・汗を拭けないため体温が下がりにくい場合もあります。介助者の方やまわりの方は体調の変化に気を付け、早めの水分補給などの声かけをしましょう。福井県防災士会 理事長久保田 幹大さんエアコンが効いている室内や風通しのよい日陰など涼しい場所に避難しましょう。衣服をゆるめて、冷たいタオルや保冷剤で両側の首筋やわき、足の付け根などを冷やしましょう。また、うちわや扇子などで風を起こしましょう。水分・塩分、経口補水液などを補給しましょう。自力で水が飲めない、意識がない場合は、すぐに救急車を呼びましょう。2004年に防災士の資格を取得し、福井市消防団団員として活動する傍ら、2008年の福井県防災士会立ち上げ時から協力。2024年、福井県防災士会 理事長に就任。日本郵便株式会社勤務。PROFILE「熱中症警戒アラート」「熱中症特別警戒アラート」をチェック!熱中症が疑われたら防災Vol.3くらしに役立つ夏の異常な高温に対応しよう!熱中症は予防が大事!
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