家計防衛に関するお役立ち情報を毎月お届けします 〜子育て期〜」をご紹介します次回は「女性の働き方やライフプランそれぞれのライフステージによって、お金の使い方のポイントは異なります。今回は結婚や出産期におけるお金との付き合い方をご紹介します。CFP® 今回から3回にわたって、女性の働き方やライフプランについて考えます。 本題に入る前に、まずは全ての人に共通するお金のルールをご紹介します。それは「支出を収入の範囲内で行うこと」。借金をしないこと、と言い換えてもいいですね。 当たり前ではないか、と思われた方もいるでしょう。ところが、最近は「リボ払い」「ツケ払い」など、収入を超えた買物ができる仕組みが多く存在します。気付かないうちに借金をしていた…というケースも少なくありません。最初は少額であっても、それが癖になってしまい、いつのまにか借金が積み上がっていた…といったこともあり得ます。 お金は、適切に管理すればやりたいことを実現する手助けになります。一方で、使い方を誤ると大きな障害にもなり得ます。若いうちから収入と支出のバランスに気を配っておくと、お金の悩みが少ない人生を送れるはずです。 では本題に入りましょう。20〜40代の頃は、結婚や出産などさまざまなライフイベントがあるでしょう。何を選択するか、どういった環境に身を置くかによって、その後のライフプランの立て方は変わってきます。 たとえば結婚する場合は、配偶者やパートナーと将来の目標を共有し、その準備方法について話し合うことが大切です。最近では、お互いの収入を別々に管理し、毎月決まった額の生活費を持ち寄る「持ち寄り派」の世帯も増えています。そこから一歩踏み込んで「将来〇〇を実現するためにいくら必要か」「そのために収入の何割を貯金するか」といったことを話し合うと、よりスムーズに資金の準備ができます。 子どもを持つ場合も同様に、休業するタイミングや教育費などの計画を共有することが重要です。教育費は高校と大学でピークを迎え、この7年間で約1,000万円が必要になることもあります(詳細は次回ご紹介します)。また、以前は出産を機に退職する女性も多かったのですが、現在は共働きの家庭が主流です。育児休業の取得タイミングを事前に相談しておきましょう。会社員の場合、産休・育休中の収入保障制度があります。育児休業中は、多くの場合で手取りの8割程度が受け取れますのでチェックしておきましょう。 もちろん、シングルで過ごすことも選択の1つです。独身の方は自由に使えるお金が多いと思われますが、万が一の事態に備えて貯蓄しておきたいところです。 1人暮らしや結婚前後は、比較的お金を貯めやすい時期でもあります。生活費の6ヶ月分程度の貯金ができたら、収入の一部を無理のない範囲で投資に回すのも1つの手です。投資の基本は「長期間の運用」「投資先の分散」「コツコツ積立」の3つです。早いうちから投資を始めることで、元本が大きくなり、将来大きな資産を築くことができます。投資を始める際は、運用益が非課税となる「NISA」を活用しましょう。社会保険労務士井戸 美枝さん講演や執筆、テレビ、ラジオ出演などを通じ、生活に身近な経済問題をはじめ、年金・社会保障問題を専門とする。社会保障審議会 企業年金・個人年金部会 前委員。国民年金基金連合会 理事。「難しいことでも分かりやすく」をモットーに数々の雑誌や新聞に連載を持つ。『一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください!増補改訂版』(日経BP)、『親の終活 夫婦の老活 インフレに負けない「安心家計術」』(朝日新書)、『フリーランス大全』(エクスナレッジ)など累計刊行92万部。2024.10月号7Vol.4お金に悩まないために将来の夢共有して準備を始めるために余裕資金で長期投資を知っておきたい家計防衛術PROFILE結婚や出産期でのお金の付き合い方とは
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