62024.12月号2024年1月に発生した能登半島地震を含め、近年日本中で様々な災害が発生しています。その際色々な形でボランティアの方々が活動されています。今回、ボランティアについて今一度、考えたいと思います。福井県防災士会 理事福塚 清正さん福井県防災士会のご協力の下防災に関するお役立ち情報を毎月お届けします ボランティアは、英語でvolunteer。その英語の語源は、ラテン語の「volo(ヴォロ):自ら〜する」や「voluntas(ヴォランタス):意思」にあると言われています。つまり、ボランティアは「自分の意思で行動する」という意味の言葉なのです。 日本でボランティアモデルが確立されたのは、「ボランティア元年」と呼ばれる阪神・淡路大震災の年(1995年)のこと。当時、100万人を超える市民がボランティア活動に参加し、それによって全国でボランティア活動のイメージが定着しました。福井県においても1997年に発生したナホトカ号重油流出事故の際、沢山のボランティアの方にお世話になりました。それ以降も、災害が頻繁に発生する度に多くのボランティアが被災地の復旧・復興のために活動を行ってきました。 実際にボランティア活動を行うにあたって、4原則と言われる心がけるべき重要なポイントがあります。【原則❶】 自分の意思で行う「自主性・主体性」。自分のやりたいという意思に基づいて行うということです。【原則❷】 人と支え合い学ぶ「社会性・連帯性」。沢山の人と接し助け合いながら行動し社会に存在する課題の解決に取り組む活動です。【原則❸】 報酬を目的としない「無償性・無給性」。ボランティアは自主的なもののため、報酬・賃金を得ることを目的とはしていません。活動を通じ人との出会いや喜び、達成感、成長など様々なものを得ることができます。【原則❹】 自由な発想で取り組む「創造性・開拓性・先駆性」。目の前の課題に何が必要で、どうすれば改善できるのかを自由な発想やアイデアをもとに考え行動していきます。出典:公益財団法人日本財団ボランティアセンター https://www.volacen.jp/ ボランティア活動には、災害で被災した方を支援する災害ボランティア活動があります。地震や水害、火山噴火などの大規模な災害が発生した際、被災地のために見返りを求めず自発的に行う、復旧・復興のための支援活動のことです。活動内容も多岐にわたり、力仕事から、人と人との交流を主とする活動、現地に行かなくてもできる支援まで様々です。具体的には、家屋の片付け、炊き出しなどの活動や、被災者の活力を取り戻すための交流機会づくりなど、被災した住民が、1日でも早く元の生活に戻るお手伝いをすることを目的とし、被災者のニーズに対応した活動を行います。なお、現地で生活を続ける方たちに負担をかけないよう、ボランティアは自己完結が基本です。 また、災害ボランティア活動を行うために被災地へ行く準備として、行く前に情報収集を行うことや、ボランティアの受け入れをしているか、また募集地域によっては受け入れ条件が変わるので募集要件をこまめにチェックすることが大切です。 次に服装や持ち物です。例として、ヘルメット(頭部を守る)・長袖長ズボン(夏場でも:ケガ防止)・踏み抜き防止インソール(足元のケガ防止)・活動に合った手袋(がれき撤去なら革手袋)・マスク(砂塵の吸い込み防止)・ゴーグル(目を守る)・食料・飲み物などを準備しましょう。貴重品、飲み物、保険証などをひとまとめにしておけるショルダーバッグやウエストポーチがあると便利です。ボランティア活動保険に加入することも忘れてはなりません。 後は、体調を整えてボランティアに参加しましょう。福井県南越前町在住。南越前町防災士の会所属。学校防災アドバイザーを務める。くらしに役立つボランティアの歴史ボランティア活動の根本となる4つの原則災害ボランティアについて防災Vol.7PROFILEボランティアとは?
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