福井県防災士会のご協力の下防災に関するお役立ち情報を毎月お届けします42025.2月号冬であっても、豪雨と同じようなJPCZ(日本海寒帯気団収束帯)と呼ばれる線状降雪帯が発生し、大雪の原因となります。これらは予期せず発生するものではなく予報の中で分かる場合が多いので、事前に備えることが大切です。福井県防災士会 理事岸本 直樹さん□江市在住、造園業に従事。□江消防団の副団長を務める。防災士ネットワークさばえに在籍し、□江市と共に市内小学校で防災教育出前講座や、地域での防災出前講座を行っている。出典:国土交通省 ホームページ「雪下ろし安全10箇条」https://www.mlit.go.jp/kokudoseisaku/chisei/kokudoseisaku_chisei_tk_000139.html 近年、大雪は1週間以上降り続くよりも、1〜2日の間にまとまって降ることの方が頻繁にあるように感じます。豪雪時には、電気やトイレ、水道などのインフラ設備が使えなくなることがあります。 天気予報では10日前、1週間前と事前に積雪情報が入ってきますので、状況に応じて食料や燃料など、雪が降る前に安全に調達することをおすすめします。また災害時には「対流型石油ストーブ」が便利です。電気を使わずに灯油だけで長時間暖をとれますし、お湯を沸かすこともできます。火災と換気に気を付ける必要がありますが、重宝するグッズです。 大雪の際には外出は控えた方がいいでしょう。雪が降る中歩いて出かける場合、本人も下を向いたままでほぼ前が見えていないことも多く危険です。やむを得ず出かける場合はカッパを着用し、反射材を身に付けたり、ライトを携帯するといいでしょう。 車で外出する場合も、普段より道幅も狭く吹雪の中では歩行者の発見も遅れるので十分注意しましょう。また、冬の装備を忘れずに準備しておくことが必要です。車のバッテリーが弱くなっている場合は早めに交換しておきましょう。またスタッドレスタイヤへの交換はもちろん、タイヤチェーンや停止表示灯、雪かき用スコップの携行を忘れずに。特にスコップは車が停滞で埋まった場合に車の脱出用として、またマフラー周辺を排気ガスが室内に入り込むのを防ぐための掘削用として必要です。毎年このことが原因で一酸化炭素中毒となり亡くなる方もいらっしゃいます。遠出の場合は、もしもに備えて予備の燃料や食料、毛布は欠かさず持っていきましょう。 また運転する際には、できるだけ広い道を利用しましょう。「近道だから」、「空いているから」といった理由で狭い道を通行しない方が無難です。大雪のときは、道路の除雪を行う順番として街中の生活道路の除雪が優先され、車通りの少ない道は除雪も十分にできていない、または除雪できない可能性があります。無理に通行した場合には深みにはまり脱出できなくなります。ロードサービスに救助の要請をしても現場までたどり着けないことも考えられ、救助の遅れや命に関わる事態にもなりかねません。 雪かきのポイントとして、作業中に落下しないこと、また無理をしないことを心がけて行いましょう。軒下に入る場合は屋根雪のせり出しに気を付け、雪を落としてから作業を始めます。せり出した雪は凍っている場合もあり危険です。 屋根の雪下ろしをする場合は、もし屋根から転落した場合に素早く救助ができるように、作業は2人以上で行います。やむを得ず1人で行う場合、お家の方や近所の方に声がけをして互いの安全確認をしましょう。また命綱やヘルメットを着用し、動きやすい服装で作業しましょう。携帯電話を身に付けておくともしものときに役に立ちます。安全に気を付けて、雪のシーズンを過ごしましょう。大雪が降る前の準備やむなく出かける場合の注意点除雪時の注意点PROFILEくらしに役立つ防災Vol.9雪国だからこそもう一度知っておきたい大雪のこと
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