がんばらにゃ2025年5月号
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536477NISA併用可モノカネ物価の上昇(インフレ)は、お金の価値が下がっていくことつみたて投資枠18歳以上つみたて投資に適した一部の投資信託120万円再利用できる期限なし投資の王道は「長期・積立・分散」~つみたて投資枠~幅広く積極的に投資を楽しみたい~成長投資枠~「知っているか」「実践しているか」が分かれ道貯蓄だけで大丈夫??インフレから資産を守る方法NISAとはどんな制度?2025.5月号ファイナンシャル・プランナー肥後 知歩さん6/28(土)にくらしの見直し講演会を開催します!詳細はGanbaranya6月号にて主に家計管理や資産運用の講演を中心に活動中。現在は年間150回以上のセミナー講師やコラム執筆などを行う。元は自動車業界やホテル業界の会社員だったが、体調不良による失業を機に金融知識を学びファイナンシャル・プランナーに転身。わかりやすく実践しやすいマネー知識を伝えることを大切にしている。 もちろん食費などの変動費の節約も重要ですが、まずは固定費を抑えることで自然に貯蓄が増え、日々の余裕も生まれます。不要な保険やサブスクがないか、まずは固定費をチェックしましょう。 例えば、Aさん(30代・主婦)は、スマートフォンのプランを見直すことで月5,000円の削減に成功しました。この節約だけで、年間6万円、10年で60万円も浮く計算です。 某コンビニのコーヒー(Sサイズ)は、ここ数年で100円から120円へと20%値上がりしました。これはお金の価値が16%以上目減りしたことを意味します。実際に、ここ数年で食材・日用品・交通費など多くの価格が上昇し、消費者物価指数(CPI)の前年比上昇率は3年連続で2.0%以上となっています。 日銀のインフレ目標(2.0%)と同水準の物価上昇が続くと想定される一方、預金金利が物価上昇率を上回る可能性は低いでしょう。この状況では、単なる節約や貯蓄だけでは資産を守るのが難しく、お金の価値が目減りしてしまいます。 そこで重要なのが、「貯める」だけでなく「増やす(=資産運用)」ことです。物価上昇に対応し、資産の価値を守り、さらに増やしていくためには、資産運用(投資)を考える必要があります。 NISA(少額投資非課税制度)とは、投資で得た利益(値上がり益・配当・分配金)に税金がかからない制度です。通常の口座では約20%の税金がかかりますが、NISA口座なら利益をそのまま受け取れます。 現在のNISAは18歳以上が利用でき、「成長投資枠」と「つみたて投資枠」の2種類があります。成長投資枠では株式や投資信託など幅広い投資ができ、つみたて投資枠では金融庁の基準を満たした長期・積立・分散投資向けの投資信託が対象です。 年間の非課税投資枠は成長投資枠が240万円、つみたて投資枠が120万円で、併用すれば最大年間360万円まで投資可能です。生涯の非課税枠は1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円)までです。一部を売却すれば空いた枠でまた新たな投資(枠の再利用)ができます。 制度や非課税期間の期限はなく、長期的に活用できます。 つみたて投資枠では、金融庁の厳しい基準(販売手数料ゼロ、信託報酬が一定水準以下など)をクリアした「長期・積立・分散」に適した投資信託が投資対象です。 長期的に、異なる資産へ分散しながらコツコツ積み立てていくことで、リスクを抑えながら大きな資産形成がめざせます。現時点でまとまった資金がない場合でも少額から始められるのもつみたて投資の魅力です。月々100円からつみたて投資できる証券会社もあります。まずは心理的にも経済的にも無理のない金額からスタートしてみてはいかがでしょうか。 成長投資枠における投資対象も金融庁の基準を満たした金融商品になりますが、投資信託だけではなく個別株やETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)なども投資対象に加わり、幅広く投資ができます。高いリターンを狙って成長性の高い銘柄に投資するなど、自分の戦略に合わせた投資ができます。ただし、リターンの裏にはリスクもあります。いかにリスクを抑えて大きくリターンを狙っていくかは、やはりある程度の知識は必要です。 家計管理や資産運用の世界では、正しい知識があるかどうか、さらにその知識を活用して実践しているかどうかで結果が大きく異なります。 正しい知識を持ち一歩を踏み出すことで、未来のお金の不安を減らすことができます。まずは小さな行動から始めてみましょう。例えば、家計簿をつける、NISAの仕組みを調べる、投資信託を少額から始めるなど、できることから一歩ずつ。お金の知性を身に付けて、充実した生活をめざしましょう!成長投資枠対象年齢投資対象株式・投資信託など年間投資枠240万円生涯総枠1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)制度の期限非課税期間PROFILE

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