高齢者介護施設概要目標は「トイレで排泄する」取り組みと結果今年初の試み「東海北陸エリア福祉事業 業務改善・事例研究 発表交流会」を開催ご自宅での様子とその後生協10の基本ケアについてはこちら2024年度 事例研究より高齢者介護施設きらめきでは、全拠点で実践している取り組みをスタッフ同士が共有し、グループ全体のサービスの質の向上と根拠あるよりよい介護実践に繋がることを目的に、毎年事例研究・業務改善活動に取り組んでいます。今回は生協「10の基本ケア」理念の1つである「トイレに座る」ことをめざし、取り組んだ事例研究をご紹介します。5月24日(土) 県民せいきょう 本部センター 3F東海北陸エリアの4生協(コープあいち、いしかわ、ぎふ、とやま生協)と合同で、ケアや支援に対する新たな視点を獲得することを目的とした発表交流会を開催しました。受付時間/月〜金 9:00〜17:00(祝日含む) TEL.0776-52-8466 う「トイレで排泄する」ことをめざすことになりました。 腰椎圧迫骨折からの退院後、ベッドから転落したことがきっかけとなり、1日の大半をベッド上で過ごすようになったTさん。身体が上手く動かせず意欲の低下もみられ、トイレに行きたいという感覚があるものの同居家族に介護してもらう遠慮もあり、オムツ内で排泄をされていました。 一方、ご家族も介護に関する知識がほとんどない中で、家庭での介護に自信をなくしていらっしゃいました。2024年6月、ニーズや課題を明確にするための「アセスメントシート」を用いて事例研究メンバーで分析し、Tさんが願訪問サービス提供時、ポータブルトイレで排泄する練習を行い、ご家族もヘルパーと一緒に介助を行うことで介護に対する不安が徐々に減っていきました。デイサービス利用時には訪問リハビリの理学療法士と連携し、機能訓練メニューを実施し、歩行器での移動とスムーズな移乗、また一定時間座った姿勢を保つことができるようになりました。 その結果、デイサービスではトイレに行けるようになり、リハビリパンツに変えることができました。 多職種で連携し、サービス(居宅支援、訪問リハビリ、デイサービス、訪問サービス)間の定期的な会議を通して経過を共有できたことが、今回の結果に繋がったのではないかと思います。 Tさんの頑張りに感化されたご家族から廊下に手すりを設置する依頼があり、住宅改修を実施。自宅でも手すりを使った歩行練習を行い、10月初旬には自宅でも約1年ぶりにトイレに行けるまでになられました。 Tさんの次の目標は「車から玄関まで歩く」ことです。身体が動くようになったことで、表情も豊かになられたTさん。次の目標に向かって、私たちはこれからも多職種間で連携しサポートしていきます。92025.7月号Profile県民せいきょう 福祉事業部高齢者介護きらめき事例研究・業務改善への取り組み参加した職員からは、「すごく勉強になった」「他事業の課題や好事例を意見交換することで、自部門の改善点を再確認できた」などの意見が聞かれました。このような交流を通した研鑽の機会を大切にし、引き続き介護の質の向上に努めてまいります。あなたらしさいつまでも多職種との連携で「〇〇したい」を実現
元のページ ../index.html#9