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離乳食・後期について ~9から11ヶ月~

掲載日:2022年11月1日

すくすく情報

子育てに関する不安や悩みに、専門家や子育てマイスターさんから資格や経験を生かしたアドバイスをいただき、情報誌「がんばらにゃ」で掲載しています。
子育ての参考にしてくださいね。

今回のテーマ 離乳食・後期について ~9から11ヶ月~

管理栄養士の野路直美さんに教えていただきました。

 後期になると赤ちゃんはどんどん大きくなり動きも活発になってくるので離乳食を1日3回に増やし、それでも足りないようであれば食間におやつ(補食)を加えて食事量を増やしていきます。家族と一緒に食事ができるように生活リズムを調整して共食(食卓を囲んで食べる)の良さを伝えましょう。そして、自分で食べる意欲が見えたら赤ちゃんの手に食べ物を持たせて一人食べの練習を始めましょうね。その場合、食べ物をフォークで刺すお手伝いをしたり、食べやすい形状(小さい団子やスティック状)にして自分の手でつまんで食べられるようにしたりすると良いですね。離乳食の大きさは5~7mm程度、歯ぐきでつぶせるかたさ(木綿豆腐やバナナ程度)にします。主食の量は子ども茶碗に8分目(全粥90g~軟飯80g)と多めですが、主菜のたんぱく質源食品(肉や魚など)は15g(刺身大1切れくらい)と意外と少ないので摂り過ぎに注意します。副菜の野菜と果物は合わせて40gなのでたっぷり摂るようにしましょう(1食分の目安量)。

 この頃は鉄分が不足しやすいのでレバーや赤身肉、かつお、納豆(大豆製品)、ひじき、小松菜などで補います。一般的な食材はほとんど使えるようになるので焼いたり、炒めたり調理法を変えて味覚の幅を広げましょう。ただし、食べられるからといって、大人と同じ食事がとれるのは、まだまだ先のこと。次のステップの離乳食完了期(~1歳半)、幼児食期(~5・6歳)くらいまでは大人食より噛みつぶしやすくて消化しやすい食事にします。大きくなっても素材を美味しく味わえるようこれからも薄味を心掛けてくださいね。

 また、1歳のお誕生日頃になると「むら食い」や「ばっかり食べ」をしたり、せっかく作った離乳食を投げたり手でぐちゃぐちゃにちらかしたりと手を焼くことも出てきます。それらは赤ちゃんの成長過程で一度は通る道。一時的なことも多いので赤ちゃんの気持ちが落ち着くまで怒らず時期が過ぎるのを待ちましょう。赤ちゃんが上手くできたことをほめてあげて、一緒に楽しむことが大切です。赤ちゃんにとって、みんなの笑顔が一番の栄養なのですよ!

管理栄養士 野路直美さんイメージ

管理栄養士 野路直美さん

福井市にある浅田クッキングスクールで25年間料理講師を務めた後、就農して「のじファーム」を立ち上げる。環境や体にやさしい農業をめざして日々美味しい米や野菜づくりに汗を流す。「ふくいの食育リーダー」として農業体験・料理教室や講演など食育活動を行う。
福井市農業委員、福井県栄養士会 理事